デンタルIQって?
デンタルIQ」という言葉をご存知でしょうか。
一般に、IQとは知能指数のこと。知能検査は幼児期の頃行われている検査で、よく耳にしますね。しかし「デンタルIQ」は知能ではなく、歯科についてどれだけ正しい知識を持っているか、お口の健康を大切にしているかが問われるもので、歯やお口の健康に対する意識についての評価です。
正しい知識を持ち、お口の健康を守るための努力をしている人ほど、このデンタルIQが高い人、ということになります。
「歯並びが悪い、出っ歯が多いのは日本人だ」。これは欧米人がいう、中国人と日本人との見分け方です。日本人は意識していないのですが、特にアメリカでは歯並びは一種のステータスになっていて、きれいな歯並びは社会的地位とも関係しています。ところが日本ではつい最近まで「八重歯はかわいい」といわれていたのです。これが変わってきたのは矯正治療が導入されてからで、歯科医師の地道な啓蒙活動があってこそなのです。
「モーニング娘。を選ぶ時、まず見るのは歯並びです」と彼女たちをプロデュースする、つんく♂氏は話していますし、プロ野球のソフトバンクで活躍している内川選手も咬み合わせを治して好成績を維持しています。
このように、芸能界やスポーツの世界では非常に関心の高い歯科についての意識ですが、日本は先進国でありながらまだまだデンタルIQが低い国といわれており、事実、他の先進国に比べて、歯の悪い人がとても多いのです。
そこで、まずは読者の皆さんに、ご自分の歯の健康管理について、どのくらい正しい知識をお持ちか、ご自身のデンタルIQレベルを確認していただきたいと思います。
次のチェック表で、正しいと思う項目に○をしてください。さて、あなたはいくつ正解できるでしょうか?
①毎日歯磨きをしているので虫歯にはならない
②虫歯の治療をしたのでもう安心だ
③歯茎が一時腫れたが、腫れがひいたので治療の必要はない
④ある程度年を取ったら歯が悪くなるのは仕方がない
⑤歯周病は歯茎が悪くなる病気だ
⑥歯並びは見た目の問題で、治療の対象ではない
⑦歯磨きだけしていれば歯周病は防げる
⑧インプラントは永久に抜けない
⑨痛みがないので歯医者さんに行く必要はない
⑩被せ物をした歯は悪くならない
さて、いくつ〇をつけましたか?
実は、〇はひとつもない、というのが正解です。①から⑩までの文は、すべて間違い。
これに気づいて○をつけなかった人は、相当デンタルIQの高い人です。
しかし、不正解だった人も、がっかりすることはありません。大切なのは、歯の健康に対する正確な知識を身につけることです。
信頼できる「かかりつけの歯科医師」と共に、一本でも多くの歯を残して、いつまでも健康な口腔内を維持していきましょう。