いびき・歯ぎしり治療
いびき・歯ぎしりは危険のサイン
睡眠は元気の源です。十分な睡眠がとれないと爽やかに目覚めることができません。イビキやハギシリが睡眠に無縁でないことがわかってきています。いびきや歯ぎしりは無意識にするので、睡眠時には自覚できない為、他人に指摘されるまで気がつきません。しかし、いびきや歯ぎしりは、SAS(SleepApnea
Syndrome:睡眠時無呼吸症候群)という、放置すると死に至ることもある大変な疾患のサインです。
SASとは、睡眠中に10秒以上呼吸が停止して、無呼吸の状態が何度も繰り返し生じる疾患で、血液中の酸素濃度が不足して、重症化すると心臓の疾患や高血圧、脳障害、心不全、不整脈、糖尿病などの合併症を引き起こしたりします。放置すると突然死の危険すらありますので、適切な治療を受けなければなりません。
いびきの定義は「睡眠時に起こる異常な震動音」です。
眠っているときに口呼吸になっていたり、扁桃腺の肥大や肥満などによって気道の狭窄(狭くなること)することが原因です。肥満の人がいびきをかくと言われるのはこのためです。普段いびきをかかない人でも、お酒を飲んで眠るといびきをかくことがあります。これはアルコールによって舌や咽頭の筋肉が弛緩し、気道が狭くなることが原因です。また、飲酒によって血行が促進され、鼻腔の血管が膨張して鼻が詰まりやすくなることも理由のひとつです。
歯ぎしり(ブラキシズム)は、一般的には上下の歯をぎりぎりとこすり合わせるグラインディングです。このほかにも、歯をぐっと食いしばるクレンチングや、上下の歯を小刻みにカチカチ咬み合わせるタッピングなども、歯ぎしりに含まれます。
なぜ歯ぎしりをするのかは、明確にはわかっていません。顎を動かす筋肉と神経のバランスが崩れて歯ぎしりが起きるといわれていますが、原因は肉体的・精神的なストレス、咬み合わせの悪さ、喫煙、飲酒、逆流性食道炎などが原因とされています。
重度になると、目覚めたとき顎に疲れを感じたり、歯や歯茎、また顎の骨が過重負荷となり、歯の摩耗やひび割れ、破折、歯周病の悪化など、さまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。
さらに顎の痛み、口が開かない、口を動かすと音がする顎関節症、頭痛、肩こり、めまい、耳鳴りなどの症状の原因となることが知られています。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群が注目されています。これはイビキやハギシリなどが昂じて習慣化してしまい、悪化することで呼吸停止を起こしてしまう病気です。
重症になると2~3分も停止してしまい、突然死ということにもなりかねません。
この病気の予備軍は日本で200万人ともいわれています。
それが歯科のスプリント治療や「パタカラ治療」で予防・治療することができます。
軽度のいびき・歯ぎしりの治療、MFT「口腔筋機能訓練」とナイトガード
口腔周囲の筋肉(舌、口唇、顔面の筋肉など)を強くしてバランスを良くし、正しく機能させることをMFTプログラムといいます。最近ではさまざまな口腔リハビリテーション器具が販売されていますが、リップストレッチで口輪筋や表情筋を強化したり、口呼吸の人はきちんと口を閉じて鼻呼吸の習慣をつけます。子供さんの場合は口をポカンと開けることがなくなり、若年者では表情を豊かにし、小顔効果をもたらしたり、高齢者はいびきや無呼吸症候群、歯ぎしりの緩和に効果的です。
- 睡眠時の呼吸、イビキやハギシリの改善
- 発音を明瞭にする
- 口輪筋を鍛えて口唇の麻痺を改善する
- 表情を豊かにする
- 噛む、飲み込む機能を回復する
ナイトガード(歯ぎしりの治療)
歯ぎしり癖のある人に、歯科医院で最もよく行われるのはナイトガード(マウスピース)の装着です。
歯科医院で歯型を取り、一人ひとりに合う形のナイトガードを製作します。それを夜寝るときに装着し、歯ぎしりで歯や歯茎および顎関節にかかる負担を軽減させるものです。
また、ナイトガードを装着することで歯ぎしりへの不安が薄れるという、ストレス軽減効果も期待できます。
- パタカラ豆知識
- 「パパパ」「タタタ」「カカカ」「ラララ」。脳卒中や脳外傷による構音・嚥下障害に対して、顔・口・舌の筋肉の再活性化を促す構音訓練の発声音です。その音を代表して「パタカラ治療」といいます。
TCH(歯列接触癖)
TCHとは、ToothContactingHabit(歯列接触癖)の略で、上下の歯を持続的に接触させる癖のことをさします。
通常では上下の歯は何もしていない時は離開しており、
会話や食事をする際に接触しますが、その接触している時間は1日20分程度が正常だといわれています。上下の歯の接触時間が長くなると、筋肉の緊張や疲労、顎関節への負担が増え、顎の疲労感,開口障害、歯の違和感など、さまざまな不定愁訴が生じる可能性があります。
TCHはテレビを見ていたり、長時間パソコンをしているときなど、物事に熱中、緊張しているときに起こります。そのような場合、テレビやパソコンの隅にシールや写真などを貼って、それを見たら上下の歯が接触していないかどうかを確認し、もし接触していたら離すということを繰り返すリマインダー法が有効とされています。
SASとは何か
SASとは、睡眠中に10秒以上呼吸が停止して、無呼吸の状態が何度も繰り返し生じる疾患で、血液中の酸素濃度が不足して、重症化すると心臓の疾患や高血圧、脳障害、心不全、不整脈、糖尿病などの合併症を引き起こしたりします。放置すると突然死の危険すらありますので、適切な治療を受けなければなりません。主な症状は、いびきが挙げられています。
SASの原因
また、SASと歯ぎしりとの関係はよくわかっていませんが、SAS患者さまには睡眠中に歯ぎしりをする人の割合が多いという報告もあります。 SASは体を鍛えている力士やレスラーにも多く見られ、大相撲の横綱・白鵬関もSASであるといわれています。
SASの3割は肥満(BMI28%以上)が原因とされ、咽頭口部周辺の軟組織に脂肪がつくことで、咽頭をふさいでしまうのです。また別の原因として小顎症、アデノイド、もともと咽頭の狭い人、また扁桃腺肥大の人も舌が咽頭をふさぐことでSASになる場合や、高齢になり奥歯が失われ、そのまま放置すると沈下して、顎が後方に下がり、舌根部が喉頭口をふさぐことになって、狭くなった気道に空気が通るので摩擦によって起こることもあります。
SAS(無呼吸)の治療
睡眠時無呼吸症候群は「イビキ」から
Sleep Apnea Syndrome :
SAS
「睡眠時無呼吸症候群で突然死」が新聞報道などでクローズアップされています。
小児から高齢者まで患者さまは広く分布していますが、特に中年男性のイビキをかく人や肥満者に多く見られる病気です。イビキの原因は上気道(鼻腔・咽頭・喉頭部)のどこかが狭窄しているために起こります。さらに進んで上気道が閉塞してしまうと呼吸が停止(OSAS:Obstructive
Sleep Apnea Syndrome)。
重症となれば、待っているのは突然死です。
SAS(無呼吸)の治療といびきの関係
睡眠中に大きく断続的なイビキ、日中に突然襲う強烈な眠気、早朝の頭痛、不安やイライラがつのり、集中力や行動力が低下する、夜間の多尿や夜尿症、睡眠中の激しい動きなど、教えられたり、自覚したりはありませんか?
習慣的にいびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群の予備軍です。
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不眠症の自己診断を行いましょう。
その原因となっている「イビキ」を治療することは私たち歯科で、しかも日常簡単にとりいれられる方法で行っています。
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