インプラントの最新治療例
インプラントを埋入する部位の骨の量が少ない場合の処置
歯を失って骨がやせると、インプラント治療の前に骨をつくる処置が必要になる場合があります。
上顎の奥歯が喪失すると骨がやせ、上部にある上顎洞(サイナス)という空洞が次第に広がってきて、インプラント埋入に必要な骨の量がなくなってしまいます。そうした場合の処置としてサイナスリフトとソケットリフトという治療法があります。
①骨の吸収が大きい時―サイナスリフト
歯茎側面を切開して骨に穴をあけ、上顎洞粘膜を注意深く剥離して押し上げていきます。
剥離して押し上げたスペースに補填用の骨移植材や自家骨を入れ、顎の骨をつくります。
数ヵ月後、骨が再生したら、その部分にインプラントを埋入します。
②骨の量がやや足りないとき―ソケットリフト
専用ドリルで数ミリの骨を残して、上顎洞の近くまで穴をあけます。残した骨を専用器具で押し上げ、骨の隙間に補填用の骨移植材や自家骨を入れます。
そのままインプラントを埋入する場合、骨が再生したらインプラントを埋入する場合があります。
インプラントを埋入する部位の骨の幅が足りない場合の処置
インプラント治療に必要な骨の幅が足りない場合には、骨移植材を補填して再生を促す骨造成(GBR法、スプリットクレスト法)、ブロック状の骨を移植する骨移植(ボーンクラフト法)などの技術があり、もっとも適した方法が選ばれます。いずれも骨の再生に通常数ヵ月が必要です。
①GBR(骨誘導再生)法
インプラントを埋入する部分に骨移植材を入れ、メンブレン(骨誘導膜)で覆います。
骨がしっかり再生したらメンブレンを除去(除去不要なものもあります)してインプラントを埋入し、数ヵ月後、上部構造を装着します。
インプラント埋入時にインプラント体が露出する部位にも適用されます。
②スプリットクレスト法
骨に溝を入れて器具を挿入し、骨を広げ、インプラントを埋入する方法です。インプラントと骨の隙間には骨移植材を詰めて、しっかり骨が再生するのを待ちます。
③ボーンクラフト法
骨の吸収が大きく、GBR での対応が難しい場合に、腸骨などから採取したブロック状の自家骨を移植する方法です。移植骨はネジで固定し、隙間に骨移植材を詰めます。ネジは骨の再生後に外してインプラントを埋入します。