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2020.03.01

深く闇に潜むもの「歯周病」

歯周病は、口腔内の病気だけでなく、生活習慣病や他の全身の病気とも深く関係しています。歯周病から誘発される病気について主だったところを紹介しましょう。

歯周病は痛みを伴わず、密かに進行します。歯周病菌は、歯周組織から粘膜内の毛細血管に進入するとの報告がされています。

1、歯周病と心臓病

歯周病原因菌が口腔内から血管を通り全身をめぐり様々な病気を引き起こします。心臓の冠動脈に血栓を形成すると心内膜炎を引き起こします。多くの歯周病関連菌 ( Pg菌=Porphyromonas gingivalisなどが患部から検出されます)が心臓の血管をつまらせるのです。

2、歯周病と糖尿病

糖尿病になると、血液の血糖値が上がり、毛細血管がもろくなります。健康な方に比べ、歯周炎を起こしやすくなり、そこから重度の歯周病に進行しやすいのです。

3、歯周病と肺炎

厚生労働省の調査報告を見ると、高齢者(65歳以上)の死亡原因の第1位は肺炎です。、肺炎の中でも、口の中の細菌が肺に入り込み、誤嚥性肺炎を引き起こします。

高齢になると、食べ物を飲み込むための口腔周囲や喉の筋力が低下し、本来食道に入るものが、気管支に入ってしまうのです。こうした誤嚥性肺炎の患者さんの肺からは、歯周病原因菌(嫌気性グラム陰性桿菌など)が高い頻度で見つかることから、歯周病と肺炎に強い関連性があるとされています。

4、歯周病と骨粗しょう症

骨粗しょう症の方は、健康な方と比較した場合、歯を支えている骨の減少(歯槽骨吸収)が早く、歯周病の進行が早いという報告があります。また、歯周病で歯を失うことにより、食べ物を噛む力が弱まり、バランスよく食事することが難しくなるため、身体全体の骨密度が低下し、悪循環が起こりやすい傾向にあります。

 5、歯周病と早産

妊娠中の女性はホルモンバランスの変化により妊娠性歯肉炎になりやすく、歯周病を持った妊婦さんは早産の可能性が高まると報告されています。歯周病が進行して炎症が強くなると、歯周組織のプロスタグランディンE2が増えます。

プロスタグランディンE2は、じん痛促進剤です。子宮の収縮、子宮頚部の拡張作用を促すので、早産を引き起こすのです。早産の妊婦さんを調べてみると、重度の歯周病の割合が高く、多量のプロスタグランディンE2が影響を与えていると見られます。

6、歯周病とバージャー病

バージャー病は、手足の末端の血管が詰まり、炎症がおき、皮膚に痛みや潰瘍をおこす病気です。このバージャー病の方を調べると、全員中度から重症の歯周病で、しかも深いつながりが見いだされました。

(痛み、または潰瘍がある部分の血管から採血して検査した結果、血液からは歯周病菌が検出されましたが、正常な箇所からは歯周病菌が検出されませんでした)

歯周病は生活習慣病であり、全身の健康と深く関わっています。

歯周病関連疾患は、片方だけ治療としたとしても、良い結果は得られません。チーム医療と言われるようになった今、歯科、医科ともに連携を取り、親身になってくれるかかりつけの歯科医院、病院を持つことが大切になっています。

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