2021.10.16週間朝倉歯科医院
乳幼児期の食育アドバイス 1
上の前歯が生えてきたら、コップ飲みの練習をしていきましょう。
お母さんの乳幼児に「こぼされるのがイヤ」という主な理由で、ストローで飲み物を与える過程をよく見かけます。ですが歯科医師の立場から言うと、ストロー飲みは「口腔機能の発育上ストローのみは必要ない」のです。
この時期に大切なのは臼歯(第一臼歯)の生えるまでに内舌筋を鍛えることです。食べ物を食べるとき、コップから飲むとき、口唇を丸くして内舌筋や嚥下圧(飲み込む力)に耐える力が培われます。舌を丸める動きなどで舌の形を変えることが嚥下圧に耐える力を生むのです。
ところが、ストローで飲むと、舌を前に出して飲む「幼児嚥下」が持続され、これから大切な「成人嚥下機能」を学習する機会が奪われてしまっているのです。また、嚥下圧に耐えることは口蓋形成にも大切なことなのです。
保育環境もあってストローを使うことが多い場合、お家では上の前歯が生えてきたら、スプーンですすって飲むことから始めて、お猪口、小さなコップと徐々に進めて、内舌筋を鍛える練習をしましょう。
あさくら小児歯科ハッピークラブ 歯科医師 佐藤 典子